地味過ぎるパニック映画
ネタバレなし
あらすじ
リポーターのジェニーは、ホワイトハウスを巻き込むエリーという女性のスキャンダルを追い求めていたが、その正体は女性ではなく地球の危機である「E.L.E」のことであった。
ジャンルはパニック映画ですが、そんなにハラハラするような内容ではないです。地球が滅亡の危機に瀕したとき人類はどういう行動を起こすのかというヒューマンドラマがメイン。
思わず泣いた人も結構いるようですが、僕は感動しませんでしたね。
近い時期に公開されたアルマゲドンとよく比較されますがしっかり差別化できていると思います。
ちなみに大統領役はモーガン・フリーマン。そしてこの映画は1998年の作品。そう、オバマが大統領に就任した時期より前なんですよ。今観ても大統領役が黒人であることに違和感を覚える人は少ないでしょうが、当時なら間違いなく斬新であり少し先の未来のように見せるには最適な配役だったと思います。
ネタバレあり
登場人物が多すぎると思います。その割に善人ばかりだから惹かれないんでしょうね。もう少し血生臭い反乱があってもいいと思うんですよ。最後ホワイトハウスの前で演説するシーンは何だか宗教的で怖いなあ。
正直ジェニーはいらなかったかな。最初のスキャンダルを追うという導入も何のためにあるのかわかりません。
ビーダーマンの両親の行動も理解できません。息子が恋人を救おうとするのをあっさり許可するのはどうみてもおかしいです。だっていい歳の大人ならあの年頃の恋がいかに脆いかよくわかっているはず。そんなもののために捨て身になろうもんならぶん殴ってでも止めるはずです。
サラの両親の子どもたちだけでも生かそうとしている姿と比較すると大違いだなと思います。
そもそももし息子が死んでいたらあの両親はどうなるんでしょう。価値があるのは少年だけですのでシェルターでの二人の居心地は最悪だと思うんですが。
ネットでちらほら見ましたが、サラが両親と残ることを決断したのにビーダーマンが迎えに行くのは自分勝手だという意見も大いに賛同できます。
彼って自己犠牲タイプのキャラに見えますが、同じくらい自己中心的でもありますよね。
地球滅亡の危機なのにほぼアメリカしか描いていないのも残念。まあ仮に日本が出てきても中国人で溢れる東京モドキが出てくるだけでしょうが(笑)
監督はミミ・レダーですが、元々はスティーヴン・スピルバーグが予定されていたんですよね。もし彼のままだったらもう少しワクワクするような展開だったかもしれません。