エリジウム ネタバレアリとネタバレナシ感想

ディストピアとユートピア

ネタバレなし

あらすじ


2154年、地球は大気が汚染し、貧民で溢れる場所に。一方富裕層は最高の医療が受けられるスペースコロニー「エリジウム」で暮らす。工場で働くマックスはある日致死量の放射線を浴び、エリジウムへ行くことを決意する。


主演はマット・デイモン。彼に限ったことではありませんが、スキンヘッドにすると随分イメージが変わりますなあ。
僕はジョディ・フォスターをハリウッド女優で一番綺麗だと思っていますが、本作ではさすがに歳を取りましたね。ただ自然な感じに歳を取っているのを見て少し安心。

映像美も圧倒的でドンパチもあり、メッセージ性も強い作品といえるでしょう。

ネタバレあり


たくさんの人が指摘していますが、エリジウムのセキュリティがガバガバなんですよね。せめてドーム型にしないとまずいんじゃないでしょうか。冒頭で不法移民が富裕層の住処まで来てしまいます。もうこの時点でエリジウム側の負けでしょう。
そもそも暴動を起こしてほしくなかったらもう少しまともなインフラを整備するべきでしょう。あんなハイテクマシンであるドロイドが作れる世界なら容易でしょうに。
危険な作業もドロイドにやらせるべき。
まず世界観の掘り下げがイマイチなんですよね。109分じゃなくて150分くらいにしてもよかったのでは?

カーライルが工場の労働者に「口を覆え、菌が移る」と言った場面は唯一笑ったシーンです。いやお前がマスクしろよ!とツッコミたくなったのは僕だけではないでしょう。

最後は主人公が自己犠牲を選びます。何だか久しぶりに見ましたよこういう展開。別に死ぬことなかったのになあと思います。

それにしてもエリジウムは美しかったですね。近未来の設備と緑が相性抜群で僕もあそこに住みたくなりましたよ。それに比べ地球は不潔感の塊ですね。この映画は貧富の差を視覚的に表すのがうまいと思います。

テーマはやはり医療問題でしょう。現在のアメリカのような金持ちだけが一流の医療を受けられる社会じゃ、それを求めて貧民が暴動を起こすのは当然の結果です。
どうせ死ぬならチャレンジしますもんね。
貧富の差が進むと誰も得しないんですよね。貧民は不自由な生活を強いられるし、富豪は貧民の暴動にうまく対処しなきゃいけません。結果的に主人公がこの世界をリブートしましたが、現代でも似たようなことがいつか起きるかもしれませんね。
ただ現実社会でのリブートボタンは何かと考えたところ、嫌な想像しかできませんでした。