ヘイヴン 堕ちた楽園 ネタバレナシとネタバレアリ感想

タックス・ヘイヴンが舞台の作品

ネタバレなし

あらすじ


ケイマン諸島に脱税容疑の捜査から逃れてきたカールとその娘ピッパが来る。一方、島で質素に暮らすシャイにはアンドレアという彼女がいたが、彼女の兄に嫌われていた。2つの物語が島で繰り広げられる。


今話題のパナマ文書でタックス・ヘイヴンという単語を初めて聞いた方もいらっしゃるでしょう。一応説明しますと税金がほぼかからない地域と思ってくれて構いません。
租税回避地が舞台の映画はこれくらいしか知りません。まあ本作はパナマではなくケイマン諸島ですし、島で暮らす人間たちのゴタゴタを描いているのでパナマ文書騒動の財テクについて理解を深めたい人にはおすすめできませんね。
この映画を観た後の僕のタックス・ヘイヴン(というかほぼケイマン諸島)の印象は税金逃れのためにやってくる金持ちと彼らを当てにして暮らす現地の貧乏人が共存する治安の悪い場所というイメージです。

ネタバレあり


主演は二枚目俳優オーランド・ブルーム。しかしそんな端整な顔立ちもハンマーの硫酸のせいによって台無しに……と思いきやそれなりにかっこよくて何だか悔しい(笑)イケメンは何してもイケメンっていいますけどまさか火傷を負ってもイケメンとは。

この映画は2つの物語を進めているので、群像劇っぽいですがそれがあまりうまくいってない感じです。群像劇といえば交わり方が大事ですが、それもパッとしないですし、この程度の関連性なら主人公を4人くらいにして尺も120分以上にしたほうがよかったかもしれませんね。というかいっそのことシャイの話だけでもよかったのでは?
シャイの話は好みでしたが、カールとピッパの話はそそられませんでした。身分違いの恋人たちとただの自業自得脱税おじさんのエピソードの相性は悪いと思います。

でも退屈はしませんでしたよ。僕は南の国の風景が大好きなんでね。ハワイの景色とか大好きでいつか行ってみたいなあ。でもケイマン諸島は御免(笑)

あまり救いがない終わり方でしたね。タイトルのHavenは避難所という意味ですが、皮肉のつもりでつけたんでしょうか。カールは結局捕まってしまったので避難所の役目を果たしていませんし、シャイにとってあの島は牢獄といっても過言ではないでしょう。シャイが本当にかわいそうでした。彼は何も悪くないのに。

タックス・ヘイヴンで検索したらケイマン諸島以外にもたくさんあるんですね。ぜひ他の舞台の作品が見たいです。
でもパナマ文書事件は絶対映画化するだろうなあ。