ハリウッド風刺が笑える
ネタバレなし
あらすじ
東南アジアでベトナム戦争を舞台にした映画「トロピック・サンダー」の撮影が行われていたが、そこはなんと本物の戦場だった。
金がかかったコメディはないかと聞かれたらこれをお勧めしますね。とにかくキャストが本当に豪華。大抵の映画は有名俳優を使う必要はないと思いますが、この手のコメディは別でしょう。「あの俳優がこんなバカなことしてる!」っていうだけで笑えますよね。
言い方を変えれば、ハリウッド俳優にあまり詳しくない人はこの映画を観るのは後回しにするのもいいでしょう。
それから本当に下品でグロテスクなんで苦手な人は注意。
コメディ映画に違いないんですが、ハリウッドを風刺している描写も多々あります。
ネタバレあり
オープニングは嘘予告から始まります。僕は「悪魔の小路」が一番観たいですね。真面目な作品なんでしょうけど一番笑いました。
いきなりグロい場面から始まりますが、すぐに映画の撮影だと明かされます。最初にこういう種明かしをするのって大事ですよね。これのおかげで「ああ、この映画のグロテスクなものは全部虚構なんだ。」と認識でき耐性がつきますからね。
「シンプル・ジャック」でバカを演じたタグでしたが演技は酷評されます。そのことについてカークがかなり的を射たことを言いましたね。
それは「レインマン」と「フォレスト・ガンプ」の主人公はバカだけど才能があったので、その役を演じきった俳優は賞を手に入れたけれども「アイ・アム・サム」のショーン・ペンはただのバカを演じただけだから賞はもらえなかったということ……
何だかすごく納得しましたよ。ただのバカなら誰でもできますよね。
この映画にトム・クルーズが出るのは知っていたんですが、まさかあの禿げたプロデューサーだったとは……(笑)最後のダンス中に気づきましたよ。彼、こういう役も引き受けるんですね。
あのメンバーの中ではカークが一番好きです。
ああいうカメレオン俳優みたいな役者好きになれないんですよね。そういう役者を褒める風潮も。体を痛めつけて理想像に近づけるくらいなら最初からそういう身体的特徴を持った人をキャスティングすればいいのに。
あの手のめんどくさい役者を身を持って皮肉ってくれたカーク最高!
白人が黒人のフリをするっていうのもグッド。現実的に可能な技術だと特定の役者だけを否定する形になってしまいますからね。
ロバート・ダウニー・Jrで一番好きなキャラになりました。
それから「TROPIC BLUNDER」を「トロピック散々だ」と訳す翻訳者のセンスに脱帽。
外国のコメディ映画に優秀な翻訳者は欠かせませんね。