ペイ・フォワード 可能の王国 ネタバレナシとネタバレアリ感想

善意の先にあるもの

ネタバレなし

あらすじ


中学1年生のトレバーは社会科の授業でペイ・フォワードを提案する。それは自分が受けた善意を他の3人に渡すというものだった。彼はさっそく実践しようとするが……


他人に優しくされたらその人に恩返しすることも大事。でも本当に困っている人は恩を売ることができません、自分のことで精一杯で他人を思いやる余裕がありませんから。善意のやり取りはどうしても裕福な人間同士のものになってしまいます。
しかしペイ・イット・フォワード(日本風に言い換えれば恩送り)なら世界中の人間が幸せになります。
そんな善意に満ちた世界の話です。不幸の手紙ならぬ幸せの手紙ですね。

主演はハーレイ・ジョエル・オスメント君。この頃は天使のような可愛さですね。まあ今のダンディな見た目も嫌いじゃありませんが(笑)

ネタバレあり


邦題はダメダメだと思います。ペイ・イット・フォワードという言葉そのものが重要ですし、イットを外した割に可能の王国という余計なものをつけているのが納得いきません。

この中学校は金属探知機があるんですね。アメリカの公立中学校は劣悪な環境だと聞いていましたがさすがにここが異常なだけですよね?最後にあんな悲惨な事件が起きてしまうくらいですし。そう信じたいね。

それにしてもジェリーはホームレスにしてはイケメン過ぎではないでしょうか(笑)
歯と依存症さえ治せば社会復帰は容易でしょうね。女性陣が放っておくはずがありません。

余談ですが、トレバーの前に座っている女の子がホームランドのジェシカ役で有名なモーガン・セイラーにすごく似ています。調べたら違う役者のようですが本当にそっくりです。姉妹なんでしょうか?この女生徒役の詳細がさっぱりわからないのが残念。

結局トレバーは最後、善意が仇となり殺されてしまいます。
この結末を「救いがない」と言う人もいますが、僕は決してそうは思いません。
彼のペイ・イット・フォワードの結果を死と捉えるかたくさんの人が救われたと捉えるかの違いでしょう。
彼の行いの影響力を形として表すのに葬儀の参列者というのはぴったりだと思うんですよね。確かにトレバーは早すぎた死を迎えましたが、発案者が死んでも恩送りの世界は続いてくことを表すにはやはりああするしかなかったでしょう。
ラストシーンは秀逸ですね。彼の善意の証である「明かり」が夜景や車のライトと調和してどこまでも広がっていくような感覚に陥ります。