ラストが納得いかない
ネタバレなし
あらすじ
植物学者のマーティンは、妻のエリザベスと共にベルリンへやって来る。しかし彼がタクシーで移動中に交通事故に遭ってしまう。目が覚めるとパスポートはなく、おまけに自分と偽っている男がいると判明する。
元々、邦題は「身元不明」だったんですが、311の影響でこの題になったんですよね。原作はディディエ・ヴァン・コーヴラールの「Out of My Head」ですがそっちは未読で本作を鑑賞しました。
サスペンス要素がかなり強いですが、カーチェイスのシーンなんかなかなか迫力がありますよ。
ネタバレあり
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この手の映画ってたいてい真相にガッカリするんですがこの作品は期待を裏切らなかったなあ。
学者のくせに強すぎだろ……とツッコみたくなるところが実は伏線になっているところがいいですね。
最初の飛行機の中の会話で妻の「うまくいくわ、あなたなら」は暗殺のことを指しているとわかります。
ホテルに着いたときベルボーイが「前にも泊まったことがありますか?」という質問をしました。ホテルマンは人の顔を覚えるのが得意だと聞きます。深読みしすぎかもしれませんがきっと彼らが変装していたとはいえ、ベルボーイは二人の顔をちゃんと覚えていたんでしょう。
こんなことを言うのは野暮かもしれませんが、こういう記憶喪失ってかなり珍しいですよね。精神的なものが原因ならともかく外傷によるものなのに部分的に記憶が抹消されるなんて。おまけに倫理観まで正反対に変化していますし。妻への愛情も醒めてしまうなんて……あんなにラブラブだったのになあ。
暗殺者のくせに大事なカバンを置き忘れるなんてヘッポコすぎやしませんかね(笑)
そもそもブレスラーを殺すためだけに王子の暗殺を装って学者になりすましたり爆弾を使ったりするのは無駄が多すぎると思うんですよ。彼はどうせ王子ほどガードが固くないんですから事故死に見せることだって十分可能でしょうに。
ジーナはタクシー運転手にしては美人過ぎじゃないでしょうか。いくら不法移民とはいえダイアン・クルーガーのルックスならもう少し割のいい仕事がありそうですが(もちろんいかがわしい商売ではなく)。
結構好きな映画なんですが、正直ラストが納得いかないんですよね。事故の影響で善人に目覚めたからって過去の暗殺者としての記憶はあるのにお咎めなしっていうのはどうかと……自首したらよかったのになあ。第二の人生を目指すのは過去を清算してからにしましょうよ。
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