主人公はゴーストライター
ネタバレなし
あらすじ
あるゴーストライターは元英国首相ラングの自叙伝の執筆を依頼された。おいしい仕事のように思えたが彼は恐ろしい陰謀に巻き込まれていくのであった。
ゴーストライターというと真っ先にあの音楽家が思い浮かぶ人がほとんどでしょうが、残念ながら本作は出版業界の話。
音楽業界と違って、文筆の世界は黙認されていると言っても過言ではないでしょう。おそらくビジネス書や実用書なんてほとんど本人が書いてないはず。
敢えて列挙しませんが、本作のように政治家がゴーストライターに仕事を依頼するケースは調べればたくさん出てきますね。
ただ主人公がゴーストライターという斬新な設定ですが、メインはあくまで国家規模の陰謀なんでそういった要素は期待しすぎないように。
ネタバレあり
結局主人公の名がわからないまま終わるのがいいですね。ラスト原稿が舞うシーンは印象的。まあ彼の最期の行動は軽率にもほどがありますけどね、頭が良いんだか悪いんだかわからないです。というか彼って執筆以外は特に何も優れていないんですよね。
ネット検索で犯人を見つけるのはいただけません。ロマン・ポランスキー監督は今年で83歳のおじいちゃんだからでしょうか。あの辺の世代ってPCが魔法の道具だと思ってる人が多い気がします(笑)
マカラはあの秘密がバレて殺されたのであるならば、もう少しCIAは対策を練るべきだと思うんですよね、彼の痕跡は極力消しましょうよ。それから主人公にバレたくないなら缶詰にしておくべきです。はっきり言ってあの人たち学習能力がなさすぎます。
最後のあの原稿の謎解きはもうダメダメ。子供向けの名探偵コナンですらあんな単純な暗号使いません。そもそも普通はすぐに気づくでしょうに。ゴーストライターにこんなこと言うのも失礼ですが、たまにはミステリーも読めよ。
本作はやたらと高評価ですが、僕は良さがわかりませんでした。社会派映画として評価したりあの孤島の雰囲気が好物とかならまだわかるんですが、やれ上質なミステリーだの極上のサスペンスだの評している人が結構多いのは意外。そういう評価を下すにはいくらなんでもツッコミどころが多すぎます、特にミステリーじゃそういった点は致命的でしょう。
あくまで仮にですよ、本作が本当にゴーストライターによって作られた作品で監督が自分のネームバリューだけでどこまで通用するかを知るための壮大な実験とかだったら面白いですね。いや、絶対にありえないと思うけどね(笑)