アカデミー脚本賞候補だと……
ネタバレなし
あらすじ
機長ウィップが操縦していた航空機にトラブルが発生した。彼の凄腕テクニックにより犠牲者は6人だけで済む。ところが彼がアルコール中毒であることが発覚する。
僕は予告編を観ないで本編を観たんですが、この映画の予告はさもウィップがアルコールを飲んだか飲まなかったかを追求するサスペンスのように編集しています。
しかしあらすじにも書きましたが、彼はアルコール中毒です。ネタバレするな!って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、事故が起きる前に思いっきり飲んでます。映画の冒頭ですぐにわかることなんです。
この映画はサスペンスというよりヒューマンドラマでしょう。
それからヌードシーンがあるので苦手な人は注意。
ネタバレあり
この作品の見どころは背面飛行だと思います。この場面は飛行機が無事だとわかっているにも関わらず本当にハラハラしました。正直ここは本当に観れてよかったです。このシーンの貢献者こそアカデミー賞にふさわしいね。
問題は脚本ですよ、脚本。
僕が一番好きになれない場面は、ラストシーンです。アル中を認める前は息子に嫌われていましたが、認めた途端に「僕の出会った最高の人」とかいう小論文を書きたいと言い、のこのこやって来ます。ここが全く理解できません。彼の周りにはウィップよりちゃんとした大人はいないんでしょうか。息子がウィップを慕っていたならともかく「帰れ」なんて言われてましたしね。
息子よ、親父のことを書いてもいい点数は取れないぞ。
本作は依存症を扱った社会派映画だと言う人もいますが、だったらこんなぶっ飛んだ飛行機事故の英雄の話を扱うのではなく、もっと依存症患者が共感しやすい内容にすべきでしょう、余計なものが多すぎるんですよ。
依存症患者が病気を克服する話は好きな類ですが、ウィップは全く応援する気になれませんね。彼はアル中である以前に人間としてダメダメなんですよ。弁護士や航空会社を振り回しすぎ。まあさすがに恋人に罪を擦り付けるほどのクズではありませんでしたが、さっさと捕まってほしいと思いながら観ていました。
入院先の病院にいたガンの男性患者って24のチェイス役でお馴染みのジェームズ・バッジ・デールだったんですね。すごくガリガリになっていたんで気づきませんでした。
本作がアカデミー脚本賞にノミネートされたと聞いておったまげましたよ。アメリカ人には共感しやすい内容なんでしょうかね。