良い医者の狂気
ネタバレなし
あらすじ
研修医マーティンは今の生活に不満を感じていた。そんなある日ダイアンという患者がやってくる。彼女が退院した後、彼は家に招待されるが……
医療スリラーの洋画って結構希少ですよね。
本作は医者と患者の禁断の愛を描いたラブストーリー……ではありません。医者が患者を思うあまりどんどんおかしくなってしまうスリラーですので恋愛要素はあまり期待しないように。
ネタバレあり
スポンサーリンク
結局マーティンはダイアンのことを愛していなかったんですよね。ただ自分を認めてくれる人が欲しかっただけでしょう。
彼の母親は認めていたようですが家族との写真は四人のうち一人だけ口を開けて笑っていなかったしそもそも写真立て自体ベッドの下のダンボールにしまってありました。おまけにその家族の顔を隠すようにダイアンの写真で上書きしているとことから察するに彼にとって家族はそこまで重要ではないのでしょう。
ダイアンとは彼女の家族が食事に呼ぶくらいだからプライベートで親睦を深めるのは十分可能。それなのに彼女を危険にさらしてまで病院に戻したのは病院に彼の居場所がなかったからです。
証拠隠滅のためとはいえ日記をトイレに流す時点で彼女に対しての愛がなかったのがよくわかります。
彼女が死んで絶望していたのも今思えば自責の念に駆られたというより行き場をなくし、また振り出しに戻ったことによる失望にも思えますね。
ジミーを殺す展開は少し突飛だとは思いますが、自分の居場所を守るための行き過ぎた行為を描写するにはああするしかなかったのかな。まあ彼女の日記にマーティンを脅すほどのことが書いてあるとは思えないんですけどね。
そもそも彼は冒頭で彼女に「愛しているなら自由にしてやれ」と言っています。つまり彼女を病院に縛りつけるような自由を奪う行為は愛していないからできること、と言えます。
きっとこの先も彼は誰も愛することができないに違いありません、自分のことしか考えられない男ですから。
ただ注射器をゴミ箱に捨てるのはいただけませんね(笑)いくらなんでもアホすぎます。
それからダミアンは自分の顔がドアップに映った写真を部屋に飾っていましたがかなり変わってますね(笑)自分がよっぽど好きなんでしょうか。
本作はなぜか評価が低いんですよね、僕はかなり気に入ってるんですが。
最後捕まらなかったのが不満なんでしょうか?スリラーとして観るならこの終わり方は最高だと思いますけどね。最後は「良い医者」で終わるんですから。
スポンサーリンク