人の夢に入り込めたら
ネタバレなし
あらすじ
人の夢に入り込むことができる企業スパイのコブは大企業のトップである齊藤から依頼を受ける。コブは妻殺しの容疑を消すことを条件に齊藤のライバル会社の社長の息子ロバートにアイデアを植え付ける仕事に取り掛かる。
人の夢に入り込むっていうのはいつかできるんでしょうかね。まだ夢の映像化すらできてないから遠い未来かな。
アニメ映画「パプリカ」に似ているという意見もあるみたいです。でもあのアニメよりは本作はわかりやすいと思います。
吹き替えのキャストににしおかすみこがいますが、かなりのチョイ役なんで気にならないと思います。どちらかと言えば渡辺謙本人の吹き替えがイマイチかも。でもこうやって自ら吹き替えをしてくれるのは非常にありがたいですね。以前、何かの外国映画で金城武が出ているのに日本語の音声は本人ではなく声優が吹き替えたものでガッカリした記憶があるので。
クリストファー・ノーラン監督が10年間構想を練って作り上げた映画です。こんなことを聞いたらハードルがグンと上がるでしょうがそんなもの余裕で飛び越えるでしょう。
ネタバレあり
本作ではlimboを虚無と訳しているんですが、これは素直に辺獄としたほうがよかったでしょう。辺獄はカトリックにおける天国と地獄の間にあると言われている場所です。虚無だとそういったニュアンスは伝わらないような気がしますね。まあ辺獄なんて日本人には馴染みのない言葉なんで仕方ないかもしれませんが。
と思いきや飛行機でコブがロバートに対し、「Rest in Peace」と言っているのに「冥福を」と訳しているじゃないですか……どうやら翻訳家に問題アリなようです。
さてさて本作での最後のコマは倒れるのか回り続けるのかボカしていますね、現実が夢なのかネットでは意見が割れた印象。前者はハッピーエンドで後者はバッドエンドでしょう。
・最後に出てくる子どもの服が違う
・ラストでコブは指輪をしていない
・子どもたちが振り向いた
・駒は不安定になってた
といった根拠から僕は現実説を支持します。ついでに気づきませんでしたが、子役は4人いて成長前と成長後で使い分けていたようです。もう現実でほぼ間違いないでしょう。
というか夢説なら夢オチっていうことですよね(笑)
あー、でも本作は夢について扱ってるのでそれも許されるのかな……
まあこれだけ熱い議論が繰り広げられる本作は間違いなく傑作ですなあ。