誘拐被害者が犯人を捜す
ネタバレなし
あらすじ
主人公ジルは誘拐されたが、なんとか自力で逃げだした。ところが証拠がないため彼女の妄言として片づけられてしまう。一年後、今度は妹がいなくなる。ジルは自分を誘拐した犯人の仕業ではないかと考え……
誘拐の被害者が犯人を捜すっていう展開は結構珍しいんじゃないですかね、特に女性の場合は。
主演はアマンダ・サイフリッド……いやセイフライドなのか?誰か著名人がビシッと「日本ではこっち!」って決めてほしいな(笑)
ネタバレあり
ジルは実際に起こったと主張し、警察は妄想と決めつけていましたが、妹が見つかった途端、互いの主張が逆転するのが最高。
ただラストが納得いきませんね。最後、被害者の写真が警察に届きますがその中からジルの写真は抜いておくべきじゃないですか。彼女の誘拐犯に対する私刑が完全犯罪っぽく終わったほうが僕としてはスッキリします。
だって警察の捜査が始まったら間違いなく誘拐犯の遺体が見つかりますし、そしたら真っ先に疑われるのは彼女ですよ。正当防衛は……認められないでしょう、ほら穴に落ちた無抵抗の人間にガソリンぶっかけて焼き殺したんですから。
警察を撒くために通行人に話しかけたのには素直に感心しました。まああの地元警察がポンコツだから成功したんでしょうけど。
きっと誘拐犯が妹をあのほら穴に入れなかったのはタイプじゃなかったからでしょう、ああいう異常者は何かしらのこだわりがありますもんね。
しかし妹を餌に使って姉をおびき出すという高度な計略を思いつくわりにほら穴の中から引きずり降ろし、挙句すぐ殺されるというアホ丸出しな行動をしているのはいただけませんね。
Goneという原題はなかなか秀逸。過ぎ去った、見込みがない、いなくなった、など本作に適した意味ばかりであり一方で、死んでしまった、という意味もあるのがうまい具合にミスリードを誘っています。フも本作のテーマに沿っているように見えますが、原題がネガティブな単語に対し、邦題は、見つかる、わかる、といったポジティブな意味なんでよく考えたら全然捉え方が違いますね。
誘拐事件に限らずストーカー被害でも同じようなことが言えますが警察は証拠がなきゃ何もしてくれません。でもそれは仕方のないこと、だって根拠のない証言を鵜呑みにするほど警察に余裕はないから。要はいざっていうときに頼れるのは自分だけ、ジルみたいに護身術を身に着けたり独自で妹を探すしかないんですよ。僕は一人だとしても立ち向かっていく彼女の強さが好きです。