戦うということ
ネタバレなし
あらすじ
主人公は不眠症を抱える会社員。ある日、ユーモアはあるが乱暴な男タイラーと出会う。主人公は彼と二人でファイト・クラブを立ち上げるが……
僕はタイトルの印象からてっきりただの殴り合いのアクション映画かと思っていたんですが全然違いました。しかし男性向けなのは確かでしょう。
Wikipediaにはネタバレが載っているので見ないことを推奨。
ネタバレあり
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タイラーは主人公のもう一つの人格であった、というオチ。
最初観たときは「無理がありすぎるだろ」と思っていました。主人公を中心にテロリスト計画が進むっていうのは突飛すぎますし、そもそもいないはずの人間と話している奴をリーダーとして奉るなんてどうかしてます(笑)最後、自分の頭を撃って生きているのも無茶苦茶すぎ。
しかし本作のラストに映る男性のアレ……それが重要な意味を持つのではないかと考えました。ああいう悪戯を仕掛けるのは劇中ではタイラーがやっていたことですよね。
つまり本作はタイラーによって作られたフィクションなのではないでしょうか?
そういう風に解釈すると飛躍した展開も納得。
それからあんなに嫌っていたマーラと最終的に結ばれるという結末も突拍子もないものですが、主人公は理想(タイラー)と同化し、嫌いな部分(マーラ)も愛することができたと考えることができます。
この映画は自分の内面との葛藤と戦うことをテーマにした壮大な作品と言えるでしょう。
ただ個人的にはこういう自己啓発みたいな内容はあまり好みではないので少し期待外れでした。ついでに本作の感想でよく「タイラーがめっちゃかっこいい」なんていう意見をよく目にしますが、僕は彼に対する憧れみたいな感情は全く抱けなかったなあ。
もちろん人気が出るのも納得の出来ですがね。
それからタイラーのサブリミナルがちらほらあるのはご存知ですか?
・主人公がコピー機を使っているシーンの画面中央より若干左にいる
・病院の廊下で主人公に睾丸癌患者の会合に行くことを勧めている医師の隣にいる
・主人公が初めて自助グループに参加したとき、トーマスという患者の肩に両手を置いているセラピストの隣で肩を組んでいる
・主人公が初めてマーラと会い、建物から出ていき見送る場面の右側下部にいる
僕が見つけられたのはこれだけ。探せばもっとあるのかな。
この演出はタイラーが生まれる予兆っぽく感じられて好みです。
それにしてもデヴィッド・フィンチャーの作品のオープニングはどれもカッコいいですねえ。
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