LOOPER/ルーパー ネタバレナシとネタバレアリ感想

復讐の連鎖を断ち切るには

ネタバレなし

あらすじ


2044年、主人公ジョーは未来から送られた標的を始末する殺し屋「ルーパー」だった。ところがある日、ジョーが殺す標的として30年後のジョーがやってきてしまう……


SF要素はあまり期待しないほうがいいと思います。主人公が「タイムトラベルの説明は一日あっても足りない、面倒くさい」と言っているんでね(笑)
しかし本作は復讐がテーマの寓話と捉えるならばかなり優れた作品と言えるでしょう。
ヌードシーンがあるので苦手な人は注意。

ネタバレあり

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ツッコミどころが多いという意見をよく見ますが、僕も同感です。
まずマフィアは殺したい人間をあんな簡単に逃げられそうな場所に転送するのはありえないでしょう。もっと言えばわざわざ人を使う必要がないですよね。火山にでも送り込めば楽ちんですよ。
未来の世界では殺人をバレずに行うのが困難であるという設定にも関わらずオールド・ジョーの奥さんが誤射とはいえあんなにあっさり殺されてしまうのはしっくりきません。裏社会の支配者の部下なら家の中を隅々までチェックすべきでしょう。そもそも殺傷能力のある銃なんて持ち歩いてどうするんですか、オールド・ジョーに対して使っていた近未来の痺れる武器さえあれば十分なはず。
それからオールド・セスがヤング・セスの体を通して体の一部がどんどん欠損していったシーンもタイムパラドックスを考えるとありえないですよね。彼のそれまでの行動は五体満足でなければできないものばかりなんですから矛盾します。未来の人間が過去へタイムトラベルした時点でその肉体は過去の自分の肉体との繋がりは遮断される、という設定にすればこのへんの辻褄は合いそうですがそれだと僕の大好きなあのラストにすることは不可能なんで難しいところですね。

シドがTKを使えるというのは正直余計だと思います。SF要素は一つで十分でしょう。

ジョセフ・ゴードン=レヴィットが将来ブルース・ウィリスみたいなルックスになるとは思えませんね、一応似せるメイクはしているみたいですが。それにしても2074年になってもハゲの治療薬が出ていないなんて……(笑)

復讐っていうのは当事者からしたらそう簡単に終わらせられるものではないでしょう。オールド・ジョーもレインメーカーも大切な人を守るために頭に血が昇っているので冷静なヤング・ジョーがケリをつけるしかないわけです。
もちろん現実ではタイムマシンなんてありませんから未来を見通すことなんかできません。でも最悪な事態を想定することくらいはできるでしょう。
時には小さな自己犠牲を選べば憎しみのループを閉じることができるかもしれませんよ。

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