たまには空でも見上げるか
ネタバレなし
あらすじ
近未来、地球の資源枯渇により人類は滅亡の危機に瀕していた。そこで新たな居住可能な惑星を見つけるべく元宇宙飛行士のクーパーは最愛の家族を残してワームホールの先へと向かうが……
本作はノーベル物理学賞受賞者のキップ・ソーンが関わっているそうなので科学的考証にうるさいSFファンにも十分オススメできる内容となっています。(まあそういう人たちはとっくに観てるだろうけど)。SFの知識がなくてもおそらく大丈夫ですがせめて相対性理論くらいは必ず頭に入れておきましょう。それすらわからないと置いてけぼりを食らう可能性が非常に高いです。
169分とかなり長めですが全く退屈することなく楽しめました。
ネタバレあり
最も印象的だったシーンはやっぱりワームホールに突入するところですかね。恥ずかしながら僕にとってワームホールってせいぜいワープできる場所くらいの知識しかありませんでした。しかし初めて映像化されたワームホールを見てよりイメージしやすくなりました。
もちろんチンプンカンプンな部分はありましたよ!クーパーがブラックホールに落ちたのになぜか死なないのかさっぱりわからないしそもそも5次元空間ってなんだよ、4次元ですらよくわからないのに……と頭の中が少しパニックになりました(笑)
1番感心したのは途中までガチガチなSFに仕上げていたのに最後に「愛」をぶっこんできたこと。この展開に色々賛否はあるでしょうが僕は胸が熱くなりましたよ!ひょっとしたら世界各地で起きているポルターガイストも誰かの愛ゆえの行動……いや、そりゃないな(笑)
さて序盤でクーパーが「昔はみんな星空を見て思った、あの向こうに何があるのかと。だが今は下ばかり見て積もった砂の心配をしている」と言ってましたよね。実はこの映画、科学が発達した未来の話にも関わらずスマホやPCが一切出てきません。彼のセリフは遠回しにスマホに夢中になって空を見なくなった人々に対する皮肉を表しているのではないでしょうか。冒頭でクーパーが地面から生えているトウモロコシを車で踏み潰してでも空飛ぶドローンを追いかける場面なんかもまさにそういった思いを象徴しているように見えました。
調べたらクリストファー・ノーラン監督はメールアドレスすら持たないほどのネット嫌いだそうですから宇宙開発ではなくネットばかり発達する現代に不満を抱えているんでしょう。
僕も流石にネットを絶つのは無理ですが少し空でも見上げてみようと思います。