複雑すぎて頭が痛くなるが……
ネタバレなし
あらすじ
最愛の妻を殺された主人公レナードは復讐に燃えていた。ところが彼はわずか10分しか記憶が持たない前向性健忘だった。カメラとタトゥーとメモを駆使してなんとか犯人を見つけようとするが……
大抵の作品は回想シーンでもない限りA→B→Cと言った具合に通常の時系列で話が進みますが本作はB→Cを映したあとにA→Bを映すという逆再生とも違ったスタイルで展開される非常に斬新な映画でした。
僕はそのあまりの複雑さに少し頭が痛くなりましたが非常に満足できる内容でしたね。ガイ・ピアース主演の映画で一番好きな作品です。
ところでDVDには本作が正しい時間軸で再生される特典映像が収録されていますがそれを最初に観るとおそらくこの映画の魅力が半減すること間違いなしなのでお気を付けて。あくまでも答え合わせのためのものですから。
ネタバレあり
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いやー、本当に恐ろしいオチでした。最後まで観終わってから序盤を観返すと本当にゾッとしますね。まさかレナードがあんなヤバい奴だったとは想像もつきませんでしたよ。よく復讐は何も生まないと言いますがだからこそ空っぽの自分を満たすためにジョン・G殺しを繰り返してしまったんでしょうな。
さて、問題はこのあとです。
ラスト間近のレナードと妻がベッドにいるフラッシュバックのシーン……彼の胸にはなぜか「I’VE DONE IT(やり遂げた)」の文字がありますよね。これは一体どういうことなのか……この場面が彼のただの願望だったとか夢オチだったとか色々な解釈もできます。しかしあくまで僕の推測ですが妻が復讐に囚われる夫を解放してやりたいと思いわざとあれを書いたのではないでしょうか。そう考えると妻の願いは届かなかったわけですから本当に切ないですなあ。
個人的に一番印象に残っているシーンはやっぱり唾のシーンです(笑)それにしてもこの映画の登場人物ってあのビールに負けないくらい汚ねえ奴らばっかりなのが救いようがないですね。
ところでサミーが施設にいる場面で誰かが横切ったあと一瞬それがレナードの姿に変わっているのはご存知ですか?おそらく自分に起こった悲劇をサミーに置き換えようとした暗示が一瞬解けてしまったのでしょう。よくできた伏線ですね。
ちなみに「Memento」はラテン語で忘れるなという意味。メメント・モリなんか有名ですよね。
そういえば3年くらい前にリメイクされるという発表がありましたがそれ以降音沙汰ナシ。はてさてどうなることやら……
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