誘拐の掟 ネタバレナシとネタバレアリ感想

ハードボイルド観たいならコレ

ネタバレなし

あらすじ


1999年、探偵のスカダーは断酒会で知り合ったピーターの兄ケニーから依頼を受ける。それはケニーの妻を誘拐し、身代金を受け取ったにもかかわらず人質を殺した犯人を捕まえてほしいというものであった。


原作はローレンス・ブロックの探偵小説。多少の脚色こそあれど、原作者はこの映画を傑作だと言っているので原作ファンも楽しめると思いますよ。
主演がリーアム・ニーソンでおまけにキャッチコピーが「誘拐犯に告ぐ、殺したら殺す」というものだったので「96時間」のような展開を期待してしまった人が多いようです。しかし本作はアクションは薄め……というか主人公が大して強くないので96時間ファンはご注意を。

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目新しさこそないものの、久々にこういう古風なハードボイルド映画を観れたので結構満足できました。
一つ不満を挙げるとするなら取引を行う危険な墓場にTJを連れて行ってしまう展開はちょっといただけません。スカダーらしくない軽率な行動だと思います。

物語は8年前からスタートしますが、スカダーが全然若く見えないのが笑えました。髭を伸ばしたせいでかえって年老いたホームレスっぽく見えたのは僕だけではないでしょう(笑)

TJは鎌状赤血球症という病気でした。この病気を僕はよく知りませんが、彼が貧しい生活をしているにもかかわらず食べるものにかなり注意を払っていたのは伏線だったのかもしれません。

ジョナスが飛び降りたシーンは滅茶苦茶ビックリしましたね。あんなに躊躇がない自殺は初めて見ましたよ。

レイとアルバートは女性の体を切り刻むことに快楽を覚える殺人鬼なのにも関わらずお金にも執着しているという不思議なタイプでしたね。こんなにも強欲なシリアルキラーは珍しいと思います。

そういえば「誘拐の掟」っていうのがなんなのかはよくわかりませんでした。こんなタイトルじゃあまるで誘拐犯の二人が主人公みたいですね。
それともひょっとしてちょくちょくあった断酒会での12個のステップがそれなのかな?でもそれじゃ「探偵の掟」の気がします(笑)
原作小説の邦題「獣たちの墓」のほうが僕としてはしっくりきますね。

小説にはエレインという恋人相手がいるみたいですが、映画でばっさりカットしたのは正解だと思います。やっぱりこの手の映画の主人公はある程度不幸なキャラのほうが哀愁を誘いますし。

マット・スカダー・シリーズはまだまだたくさんあるので続編が制作されたらぜひ観たいですね。でも興行収入がパッとしなかったから厳しいかな。

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