失われた記憶を求めて
ネタバレなし
あらすじ
主人公クリスティーンは10年前の事故が原因で朝目覚めるたびに昨日までの記憶を失ってしまう病気を患っていた。ある日、彼女の主治医だと名乗るナッシュという人物から電話がかかってくるが……
原作はベストセラーになったイギリスのミステリー小説らしいんですが、僕としては少し期待外れだったかな。登場人物も少ないのでオチも想定の範囲内のものですし、オチに対するヒントもあったようななかったような……
あくまで原作を読んでいない者の意見ですが、この内容でベストセラーになるっていうことは多分原作の良いところ(叙述トリックとか)を映像化できてないんじゃないかな、と思いました。
主人公が前向性健忘のミステリー作品なら「メメント」が有名ですがこのハードルを超えるのは容易ではないようです。
ネタバレあり
邦題は「リピーテッド」。確かにクリスティーンは記憶を失うことを繰り返していますが、わずかながら前進もしているのでこのタイトルはあまりふさわしくないと思います。原題の「Before I Go to Sleep」のほうが好みです。
本作の売りはやっぱり「一日しか記憶が持たないこと」だと思うんですが、それがうまく活かせていない気がしますね。だって冒頭のビデオカメラの登場ですぐにその問題は解決してしまうわけですから。これじゃあ単なる記憶喪失の主人公の話と大差ないでしょう。
クリスティーンから好意を受けているとわかったナッシュが「弱った患者が医師に特別な感情を抱く」と言っていましたが、今思えば実はそんな理由ではなく単に浮気性であることを示唆していたのかもしれませんね。
彼女の美しさはナッシュを逆転移させただけでなく、マイクを狂気に走らせたほどのものなんですよね。ニコール・キッドマンぐらいの美女じゃなきゃ務まらなかっただろうなあ。
気になったところが2つありました。
ナッシュはいい奴なんでしょうけど同僚からクリスティーンの症例と顔まで知らされていたっていうのは守秘義務に反するような……その辺はお咎めなしなんですかね。よくマイクに殺されずにすんだなと思います。
あと僕、イギリスのホテルに行ったことがないのでよくわからないんですが部屋にアイロンって常備されているんですかね(笑)
ラストで息子と会っただけで記憶が戻るのは流石に出来すぎだろ!という思いが一瞬頭をよぎりましたが、「くまのプーさん」の一節を互いに暗唱したシーンは泣きそうになったので良しとします(笑)