一本のスナッフ・フィルム
ネタバレなし
あらすじ
私立探偵トムはある日、大富豪の未亡人から極秘で遺品の8mmビデオを詳細を調べるよう依頼される。そこに写っていたのは少女が無残に殺される映像であった。トムは彼女が何者か突き止めようとするが……
評価はあまり高くないですが個人的には十分楽しめました。スナッフ・フィルムという残虐な内容を扱っている割には直接的なグロテスクな描写がほとんどないのが印象的。
ただし濡れ場はあるので苦手な人は注意。
ネタバレあり
いやー、世紀末ならではのアンダーグラウンドな性産業を描いた作品でしたね。最近じゃこういうのさっぱり観なくなったなあ。今じゃネットで手軽に世界の凄惨な映像が観られるようになってしまいましたもんね。それはそれで嫌な時代ですな。
てっきりトムが陰謀に巻き込まれ、家族を守るために戦う話かと思っていましたが自分から彼らに立ち向かっていき、挙げ句の果てに殺す展開になるとは驚きました。メアリー・アンを追って行くにつれ彼女とその母に強く感情移入してしまったのかなあ。タバコを吸ってないという嘘をつく彼がもう一度家族というものにしっかり向き合う本作のヒューマンドラマ的な側面も結構好きでした。
ただあれだけの期間トイレタンクを開けもしないってどうも考えづらいんですよね(笑)そもそもトムが平然とあそこを調べるのもかなり不自然な気がします。
マシーンの家に忍び込むシーンは下手なホラー映画より怖かったです。トムはやたらとマスクを脱がせることに執着していたんでもしやすでに出てきた登場人物なのかと一瞬ワクワクしましたが決してそんなことはなかったですね(笑)
結局事件の関係者は全員死に、裁きを受けたようにみえます。でもよくよく考えればクリスチャンは普通に病気で死んだだけですから罰は何一つ受けてないんですよね、全ての元凶といっても過言ではないのに……どうも釈然としません。
ロングデールが敵だったのにはびっくりしました。でもあそこまで手間のかかることをするならサクッとテープを処分したほうが早くないですか(笑)
あとできれば彼が裏切りものだったという伏線みたいなのもほしかったです。第一スナッフ・フィルムを手配するなんて弁護士の仕事じゃないような……もはや便利屋みたいなことさせられてたんですね。
一応続編も出ているみたいですがキャストは総取っ替えでDVDスルーな上に評判も悪いみたいなんで多分観ません。