2人のやもめ
ネタバレなし
あらすじ
巡査部長のダッチは最愛の妻ウェンディを飛行機事故で失いおまけに彼女が長い間、彼に隠れて不倫をしていたことが判明する。ひどく動揺した彼は同じ事故で死んだ浮気相手アルシーの妻であるケイに会いに行くが……
本作はなぜかサスペンスやミステリーに分類されがちですがどこからどうみても恋愛映画、もしくはヒューマンドラマです。「飛行機事故に隠されたとんでもない真実」とかそういうのは一切ないんでご注意を。
そんな感じで内容を勘違いして観た人たちからボロクソに叩かれたせいか評価がやたら低いんですが僕としてはそこまで悪くなかったです。
ちなみに僕は子供のころW不倫のことを仮にA夫妻、B夫妻がいるとするならA夫とB妻、B夫とA妻がそれぞれ関係を持つことだと勘違いしていたんですが、振り返れば本作はまさにそんな映画だったなと思いました。
ネタバレあり
まずダッチとケイが惹かれ合う意味がわからないといろんな人がツッコんだみたいですが個人的にはそこまでおかしいことだとは思いませんでした。愛していた配偶者が実は不倫をしていて本人にその文句すら言えずに永遠の別れを告げたというのはかなり複雑な境遇ですし、そんなとき目の前に同じような異性がいたら傷を舐め合いたくなるのも無理ないだろうなと素直に感じたんでね。
正直ダッチの警察パートとかケイの選挙活動のシーンとかはシンプルにあまり面白くなかったのでもうちょっと削ってもよかったんじゃないかなと感じました。しかし、一応ラストでダッチが死にそうになって二人の愛がグッと深まったり、マスコミに注目される仕事ゆえにコソコソ会わなきゃいけなかったりと話に抑揚をつけるために必要な箇所ではあるのでそう単純に切れないのがなかなか難しいところですね。
2人の事故の調査に対しての積極性の差は単に男女の違いかと解釈していましたがひょっとして職業によるものもあったのかなと今となっては思います。事件を追求する警察と不都合な真実を葬りたがる政治家(偏見)で対照的だったなあ(笑)
個人的にこの映画の好きなところは最初はダッチはなんてことない顔でマイアミの事故のニュースを見ていたけれど物語が進むにつれケイの安否がわからなくなりどんどん不安になっていく様が丁寧に描写されている部分ですね。
余談ですがケイの娘がケイト・マーラだったのにはびっくりしました。言われてみればちゃんと面影がありますね。