COP CAR/コップ・カー ネタバレナシとネタバレアリ感想

不良少年VS悪徳警官

ネタバレなし

あらすじ


少年トラヴィスとハリソンは1台のパトカーを見つける。車内でキーを手に入れたので2人はほんの悪戯心でパトカーを乗り回すことに。ところが車の持ち主は人殺しの悪徳警官であった。彼は何とかしてパトカーの行方を追うが……


ポスターにデカデカとケヴィン・ベーコンが写っていますが話の軸はあくまでも少年2人です。
なかなか面白かったですよ、87分と短めなのでオススメ。

ネタバレあり

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まず残念だった点を1つ。
2人を通報したおばさんが終盤であんな辺鄙なところに再び出てくるのは偶然にしては出来過ぎている気がしますね。というかあそこに来る第三者って別にあのおばさんである必要って全くないんですよね。普通の通行人でもよかった気がします。ただ銃を構えている男を発見し、バカ正直に「あそこに男がいる」と言ってしまい当然のように撃ち殺されるシーンは思わず笑ってしまいました。

保安官はなかなか強烈なキャラクターでしたね。最初はパトカーを盗まれる人殺しなんてサイコパス気質ではあるがただのバカなんだろうというイメージでしたが無線のチャンネルを変えて通常の回線を自分と泥棒のだけのものにしたり、突然やってきたおばさんを咄嗟の判断で偵察に利用したりとかなり頭が切れる男だったのかと中盤以降では印象ががらりと変わりました。
それから保安官が何をしたかよくわかっていないのも不気味さに拍車をかけていて良いですね。トランクにいた男の名前もわからずじまいですし……まあ察するにあのトランクの男とその弟が劇中には出てきてない「あいつ」とやらとのドラッグの交渉に失敗し、それに一枚噛んでいた保安官が手を下したってところでしょうか。

この話の肝はやっぱり少年が良くも悪くも大人になることだと思うんですよ。特に冒頭は少し冗長ですが下品なワードを言うのすら躊躇っていた少年がパトカーを盗むような悪ガキに至るまでを段階を踏んで丁寧に描写しているのはお見事でした。
最後は時速100km出たところで終わるのも非常にグッド。臆病なトラヴィスが友達の為にそれを克服するっていうのはなかなか感動的。
ただハリソンはおそらく助かるでしょうが結局あの2人は非行の道に進んでしまう気がしてなりません。だって自分たちの小さな悪事のせいで無関係のおばさんが死んでしまったわけですからね。家庭環境もあまりよくないみたいですし……彼らの今後を想うと胸が痛みます。

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