妻帯者たちの隠れ家で……
ネタバレなし
あらすじ
妻帯者のビンセント、クリス、ルーク、マーティ、フィリップの5人は妻に内緒で高級マンションの一室を共有していた。ところがある日、部屋から女性の死体が発見される……
原作は2008年のベルギー映画「ロフト.」でして、さらに2010年にもオランダにて「LOFT-完全なる嘘」としてリメイクされたようです。さぞかし面白いんだろうなと期待していたんですが正直イマイチだったかな。良いところもたくさんあったんですが。
濡れ場があるので苦手な人は注意。
ネタバレあり
数年前にウェントワース・ミラーが同性愛者であることをカミングアウトしたせいかルークは実は男が好きなんじゃないかという疑いが全面に出ていましたね(笑)僕も間違いなくそう思いましたよ!結果的に本作はそれをミスリードとしてうまく活用したわけですね。うーん、お見事!
まず第1のどんでん返しであるビンセントをみんなではめようとしているという展開は素直に驚きました。ちなみに自分は死体の女性と不倫した男の奥さんが殺したんだろうと考えていました……いやー、大外れですよ(笑)
ただ第2のどんでん返しであるルークがサラに薬を盛ったというオチはしっくりきません。ルークがサラを殺す理由があまりにもぶっ飛んでるというか……あんなに意味不明な動機なら観客が犯人を推理するのはかなり厳しいですよ。最初のどんでん返しだけだったらもう少し評価が高かったのではないでしょうか。それからあれだけ頭が切れるルークが遺書をクリスに預けるとは思えないんですよね。だっていずれクリスが遺書を失くしたことに気づいたら大騒ぎになるのは目に見えてますし。せめて「この遺書は俺たちの指紋がついてしまったから処分しよう」くらいとか言ってみんなの前で破り捨てようとする描写があっても良かったかな。
あとラストで結果的にサラを殺してしまったフィリップはともかくクリスとマーティが普通に暮らしているのはちょっと引っかかります。アメリカの法律は詳しくありませんが現場を偽装して、誰かをはめるため警察に虚偽の供述をするという行動は何らかの罪に当たらないんですかね。
1番感心したのは冒頭のルークがサラの死体を見つけるシーン。初見だとさも彼が死体を見つけて驚いているように見えますが真相を知ってから観返すと愛しいサラの手首が切り落とされていることにショックを受けていると捉えることができるのがすごいですね。
ちなみにフィリップ役のマティアス・スーナールツは原作にも同じ役で出演しているようです。こういうケースはなかなか珍しいですね。