ナイトクローラー ネタバレナシとネタバレアリ感想

マスコミに対する痛烈な皮肉

ネタバレなし

あらすじ


ロサンゼルスにてある夜、コソ泥のルイスは自動車の事故現場を撮影し、その映像をテレビ局に売りつけて生計を立てるカメラマンに遭遇する。ルイスはそれに触発され、カメラと無線傍受機を買って彼らのマネをするが……


昨今、マスコミによるフェイクニュースや法律スレスレで尚且つ倫理的に危うい報道をよく目にしますが本作はそういった連中を痛烈に批判するような内容になっています。滅茶苦茶面白かったです。あとカーチェイスもかなりハラハラしましたね。そこら辺のアクション映画よりよっぽどよく出来ていて感心しました。
ジェイク・ギレンホール主演の映画で一番好きな作品です。

ネタバレあり

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主人公がサイコパスの作品ってほとんどがサイコキラーの話なんですが本作は人を殺さない主人公(と言っても間接的に殺させるけど)を扱っていてすごく興味深かったです。
ルイスはどうしようもないクズなんですがなまじコソ泥からスタートしてるだけあってどんどん成功していきその度に行動もどんどんエスカレートしていく様子がかなり惹きつけられました。それからルイスが民家に不法侵入するシーンと交通事故の死体を動かすシーンのBGMが何というか説明しづらいんですが少し前向きな音楽だったのが非常にユニーク。ルイスは悲惨な現場を前にしてもこういう気分なんだなと感じ、ゾッとしましたよ……

1つよくわからなかったのが終盤でルイスが殺人犯を車で追っているときリックに窓を開けさせたこと。何の意図があったんでしょう?リックが小言ばかりぶつぶつ言うから寒い思いをさせて黙らせたかったんでしょうかね。

ルイスは数々の強烈なセリフを放ってきましたが最も印象に残ったのは「長所を伸ばすか?短所を克服するか?」という言葉。確かに長所を伸ばしたほうが仕事がもっと上手くいくとは思いますが、彼の短所である人を思いやるということができないという点は誰がどうみても人として克服しなければいけない部分のはず。それをああいう言葉で片づけてしまうからこそサイコパスなんでしょうな。
マスコミ関係者が全員悪人だとは思いません。扱うジャンルによっては誰の迷惑にもならないようなハッピーなニュースばかり追いかけている人もいるはずです。しかしながらこういったネガティブな業界で成功を収めるのってやっぱりルイスやニーナみたいに良心が欠けている人間じゃなきゃ厳しいんでしょうね……

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