キュートでポップなスリラー
ネタバレなし
あらすじ
主人公ジェリーは幻聴が聞こえるため精神科医の世話になっていた。ところがある日彼が思いを寄せる同僚フィオナを誤って殺してしまう。死体を処理するため首を切断すると彼女の生首から声が聞こえるようになってしまう。
予告編にもありましたがキュートとポップとスリラーが融合した独特な世界観が不気味すぎてまあまあ楽しめました。
かなりグロテスクなんで苦手な人は要注意。
余談ですが本作のアナ・ケンドリックがいつも以上に可愛いと感じました。
ネタバレあり
邦題はちょっとしっくりきません。言うほどあの声はハッピーボイスではないでしょう。ペットにしろ生首のフィオナにしろ結構ひどいこと言ってたと思うんですが(笑)原題の「The Voices」のほうがシンプルで良い気がします。
さて僕は最初てっきり実はジェリーは幻聴ではなく本当にペットの声や死人の声が聞こえるというオチなんじゃないかなと予想していたんですよ。というのもフィオナの生首が「金曜はカラオケで騒いでた」と言っていましたが彼女が彼にそのことを言うシーンがなかったので「ひょっとして……」と考えましたが深読みしすぎたみたいです(笑)あえて描かなかっただけで多分殺される前の車中で彼女が報告したんでしょうね。
あと肉片をタッパに詰めている場面はゾッとしました。マジで食欲失せましたよ……
それにしてもまさかあんなハッピーな感じのエンディングで終わるとは予想外です。でもジェリーは本当に可哀想だったんでああいうのもアリだと思いますよ。
劇中で彼の病名については明らかにしていませんでしたがまあ間違いなく統合失調症でしょう。薬を飲んでも地獄、飲まなくても地獄なのは辛そうでした。
結局彼は飲まないことを選択しました。精神科医からすればその決断は間違っているんでしょう。しかしその結果、善のボスコと悪のMr.ウィスカーズの間で彼は揺れ動くことになるんですが必死で考え抜いた末、悪に溺れず快楽のために人を殺さなかった彼を僕は評価してあげたいですね。
それからラストシーンには父親がいるのが印象的でした。自分の病気に微塵も理解がなかったダメ親父なのに楽しく歌って踊るときにジェリーは父親にいてほしかったのかと思うと胸が痛いです。彼は父親のことをちっとも恨んでないどころか愛しているんでしょうね。
殺されてしまった3人には申し訳ないですが僕は哀れなジェリーが天国へ行くことを願っています。