奇蹟の輝き ネタバレナシとネタバレアリ感想

死後の世界へ

ネタバレなし

あらすじ


子ども2人に先立たれた夫クリスは事故により妻アニーを残して天国に行く。彼は天国で満足のいく生活をしていた。しかし後にアニーが後追い自殺をし地獄に落ちてしまう。彼は地獄に行き妻を救うことを決意する。


原作はリチャード・マシスンの同名小説ですがそっちは未見で本作を観賞しました。なかなか良かったですね。
特に天国の油絵の世界が本当に美しかったです。アカデミー視覚効果賞を受賞したのも納得の出来でした。と言ってもあくまでも1998年の映画なんで映像美はそこまで期待しないように。

ネタバレあり

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まずどうしても気になった点が1つあります。それはクリスが天国に行ったのに子どもたちやアルバートが揃いも揃って正体を隠していること。もし僕が久々に大切な家族に会えたらあんな冷静に誰かのフリなんかできないですよ!多分感情の爆発を抑えられないと思います(笑)

さて、作中でクリスが自殺した人間が地獄に落ちることに憤りを覚えていましたが僕も全く同じ気持ちです。善行をすれば天国へ、悪行をすれば地獄へという教えは別にいいんですよ。そういう思想が広まればこの世は生きやすい世界になっていくのは間違いないですから。問題は自殺が罪になっていることですよ。未だにこういう思想の宗教がいくつかありますが果たしてそれで誰が救われるというのでしょうか。自殺はダメと言われて「はい、やめます」と返す自殺志願者なんていないも同然です。
そもそもアニーは精神科医にかかっていたんですから何かしらの精神病を抱えていたはずです。だったら病死として扱ってもいいでしょうに。自殺する人っていうのは現実の世界が辛すぎて生きていけなくなった人ばかりなのにあの世でも追い打ちをかけるような宗教にははっきり言って反吐が出ます。
本作を観たうえで1番辛かったのがロビン・ウィリアムズが自殺していることです。僕は彼が地獄に落ちて苦しんでいるとは微塵も考えたくないですよ。
ただこの映画は見ようによっては後追い自殺を肯定しているように捉えることができてしまうのがちょっと危なっかしいですね。最後アニーは楽に地獄から天国へ移動したようですがなぜその逆ができないのかがさっぱりわからないですし、もっと根本的なことを言うとアニーを地獄から救う方法もはっきり言ってかなり曖昧。
でもそんなことはどうでもよくて監督(おそらく原作者も)が言いたいのは自殺者はあの世で幸せになることができるということでしょう。そのメッセージは本当に素晴らしいですね。
最後に自殺者の遺族のかたの心が少しでも安らぐことを切に願っています。

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