その男が通った後には何も残らない
ネタバレなし
あらすじ
元CIAの工作員で現在は隠居生活を送っていたデヴェローはモスクワにて最愛の人ナタリアを目の前でCIAの手によって殺されてしまう。彼は事件の全貌を知るため手がかりを知るであろうアリスがいるセルビアへと向かう。
原作はビル・グレンジャーの同名小説ですがそっちは未見で本作を観賞しました。主演はピアース・ブロスナンでヒロインはオルガ・キュリレンコのスパイ映画だなんてまさにボンドとボンドガールを彷彿としますが僕は007シリーズには大して思い入れがないんでイマイチハマれませんでしたね。元が1979年の作品なだけあって目新しいものは全くありませんし主人公が凄腕のスパイという設定にも関わらずアクションシーンを見てもあまり強そうに感じないのが致命的でした。
ネタバレあり
邦題はちょっとダサい感じもしますが本作を端的に表していて良いんじゃないでしょうか。「The November Man」じゃどんな映画かよくわからないですもんね。というか原題のほうもあんまり上手い比喩とは思えません。だって「11月が過ぎたら死があるのみ」とか言ってるけどぶっちゃけそんなわけないじゃないですか(笑)冬でも生きてる動物いっぱいますし。
ちなみにこの言葉は調べてもこの映画以外ろくにヒットしなかったんで造語っぽいですね。
まず女殺し屋の見せ場が全然ないことにがっかりしました。登場時は素晴らしい開脚を披露していたのでアクロバティックな戦闘が見れるとワクワクしていたのに……素人の不意打ち一発でノックアウトされるってカッコ悪すぎでしょう(笑)
あと僕としてはデヴェローとメイソンの師弟対決はちゃんと白黒つけてほしかったです。お互い大切な人を傷つけられているのに今更タッグを組む展開なんか別に見たくなかったですもん。
デヴェローのキャラがイマイチよくつかめませんでした。冒頭で少年が流れ弾によって死んでしまったことをすごく悔やんでいた割には一般人の女性の大腿動脈を容赦なく切るという非道な一面もあったり(笑)「24」にも似たようなシーンがありましたがそれをやったのはモロ悪役でしたからね、主人公にあるまじき行為といえるでしょう。
一応続編が予定されているみたいですが今のところ観るつもりはありません。しかしよくよく考えれば敵サイドであの女殺し屋だけは生死不明なんで次こそは彼女の活躍が期待できる……かも?