あのシーンはやっぱりまずい
ネタバレなし
あらすじ
主人公ロニーは恋人のベスにプロポーズすることを考えていた。ところが彼は親友のニックの妻ジェニーヴァの浮気現場を目撃してしまう。彼はニックにそのことを打ち明けるか悩み苦しむ。
あんまりオススメできませんね、コメディなのにクスリともしませんでした。一見ラブコメに思えますがどちらかと言えば男の友情をテーマにしているといえるでしょう。
あと吹き替えの話になるんですが小山力也の真面目な声は結構好きなんですけどコメディはどうも合ってない気がするんですよ。何というか抑揚のつけ方がかなり独特に感じました。
ネタバレあり
まず邦題にもある肝心要のロニーが結婚を決めた理由が全然説明されていないのにはがっかりしました。自分の告白のせいでニックとジェニーヴァが別れ、夫婦の脆さを知り親友さえ失いかけた夜に結婚を決意するって普通に考えて無茶苦茶です。
こんな展開なら邦題も最初から「ジレンマ」にしてほしかったですよ!
それからニックは自分がマッサージ店に通ってたことを棚に上げすぎじゃないですか!妻の浮気をギリギリ責められないくらいの立ち位置だと思いますよ。ジェニーヴァももっと強くそのことを責めれば良かったのに……
最後に物議を呼んだロニーが「電気自動車はゲイ」と発言するシーンについて。
僕は英語に疎いんで詳しいことはわかりかねますが調べたら「gay」という言葉には同性愛とは関係なくネガティブな言葉で使われることもあるみたいです。だから「gay」を「かっこ悪い」という意味で使うのは一応筋が通っていると言えるでしょう。
さて予告編でこのシーンが使われたときはGLAADという同性愛団体から抗議があったそうで、その結果予告編ではカットされたんですけど本編の方はそのまま残しちゃったんですよね。でも個人的には本編でも消した方が良かったんじゃないかなと思わざるを得ないです。だってあのシーンを観て笑った人より不快になった人のほうが多いんじゃないかな。
ロン・ハワード監督は「主人公はときどき自分自身をトラブルに巻き込む。彼は悪いこととわかっていながら言った」というようなことを述べています。でもだったらせめてロニーがベスの両親へ向けたスピーチのときみたいにあのプレゼンそのものも失敗に終わらせるべきだったのではないでしょうか。もっともあの会議室にいた人間全員が悪人だというなら話は別ですがね。