大人になれないおばさん
ネタバレなし
あらすじ
しがないヤングアダルト小説を書くバツイチ独身のメイビスは、ある日、元カレのバディから子供の誕生パーティのメールが届く。未練タラタラだった彼女は、彼を正妻から奪おうと故郷であるマーキューリーへ帰るのだが……
ブラックコメディ寄りのヒューマンドラマといった感じでした。タイトルは主人公がヤングアダルト小説家であることと大人になりきれていないことをかけているなかなかいいセンスをしているものなんですが、邦題がわざわざ≒(ニアリーイコール)をつけているのが本当に蛇足。これじゃあまるで若者と大人は紙一重って言ってるようなもんでしょうに。
しかしながら内容は若干女性向けとはいえ、まあまあ面白かったですよ、オススメです。
ネタバレあり
一番好きな場面は終盤のパーティで緊迫した場面にも関わらず、バディが元気よくドラムロールと共に現れるところですね。あのときの笑顔がまたいいんですよ(笑)!
よくわからなったのが冒頭でプリンターがインク切れだったからトナーに唾を吐いたシーン。あんなことしてもインクが増えるわけじゃないですよね?カサを増すためにやったのかなと一瞬思ったけどどうみても空いてないしなあ……
そもそも文章と写真くらい携帯電話に転送すればいいのに。まあきっとメイビスのガサツさを端的に示したかったんでしょうが。
あとベスが一応最後までいい人みたいに描写されてたけど実際のところどうかなあと訝しんでしまうのは僕だけでしょうか。だって子供を流産して今だに一人寂しく暮らしている人に子供の誕生を知らせる必要なんてあります?空気読めないんならともかく自閉症の子に感情表現を教えているあたり、心理学くらいかじっているのは明白でしょ。最後にサンドラにも詳しく彼女のことを聞こうとしていましたが、やっぱり怪しさが拭えませんよね。いやー、とんでもない女ですよ。
さて、普通この手の映画の主人公が改心した後ってひどいことをした人に謝罪するもんだと思うんですが、メイビスはガン無視で逃げるように田舎を去るラストが印象的でした。ここからが人生のスタートだと言って締め括っていたように地元にいる人間や嫌な思い出から逃げるために都会へ出た人へ向けたエールのような内容でしたね。彼女は最初と比べて、自己肯定感が高まっただけで成長らしい成長が全く見られないのはむしろ清々しかったです。
完全に偏見ですけど映画関係者ってこういう人多いだろうなあ(笑)