未完の遺作がついに公開
ネタバレなし
あらすじ
旅行中のハリーとバフィの乗っていた車がアメリカ西部の砂漠のど真ん中で故障してしまう。その夜、バフィはボーイという青年が一人で暮らす家を発見し、彼に助けを乞うが……
皆さんはリヴァー・フェニックスという役者をご存知でしょうか?今の若い子は知らないかもしれませんが80年代後半から90年代前半に活躍していたとてもハンサムなハリウッドスターでした。しかし本作を撮影していた1993年に薬物の過剰摂取で命を落としてしまいました。
当然未完成の本作はお蔵入りとなったわけですがジョルジュ・シュルイツァー監督が余命わずかと宣告されたことをきっかけに完成させることを決意し、20年の時を経てついに上映されるようになったというわけです。ちなみに監督は宣告通り公開の翌年に亡くなってしまいました。やり残したことをちゃんと成し遂げてこの世を去るのって滅茶苦茶かっこいいですね、憧れますよ。
ただ正直内容としてはイマイチかなあ。仮に全てのシーンを撮り終えていたとしても高い評価は得られなかった気がしますね。
ネタバレあり
まさかスリラー映画だとは思っていなかったんでこの展開には驚きましたよ。ボーイがあんなにヤベェ奴だったとは……でもバフィってあそこまで夢中になるほどのいい女かなあ。まああれだけ閉鎖的な土地で住んでいたら無理もないのかもしれませんが。
一応足りないシーンは監督のナレーションで補完してくれているけれどそれでもすんなり頭に入りづらかったです。タイトルにもあるボーイの血筋や核実験場といった設定が上手く機能していないように感じました。面白くなりそうな設定だったんだけどな……やっぱり傑作には監督が言うところの「四本目の足」が必須なんでしょう。
それから全体的にボーイの家の中の場面の映像が欠けていたのが残念。特に裁判のシーンがないのは痛いですね。個人的にはバフィがネズミの肉を吐き出すシーンも観たかったです(笑)
でもクライマックスはちゃんと撮影してあって本当に良かったですね。あそこがなかったら流石に公開できなかったでしょうし。
あとハリーが小屋に閉じ込められた時、背後からボーイを工具でぶん殴る効果音がかなりしょぼいのが気になりました。どうみてもハットにかすったぐらいにしか見えないんですよね(笑)
最後に余談ですがボーイが犬に名前をつけずに「犬」と呼んでいたのには思わず笑ってしまいました。