同性愛を描いた傑作
ネタバレなし
あらすじ
1963年、季節労働者のイニスとジャックが出会う。2人はブロークバック・マウンテンで羊の放牧の仕事をしている最中、互いに強く惹かれ合うようになった。山を降りた後、再会の約束はせずそれぞれの生活に戻ったが……
原作はE・アニー・プルーの同名小説ですがそっちは未見で本作を鑑賞しました。男同士の恋愛映画は基本的に興味ないんですが本作はべらぼうに評価が高いんで観てみたところ非常に感銘を受けました。2006年のアカデミー賞に多数ノミネートされただけありますね。
僕は異性愛者ですがそこらへんの男女のラブストーリーよりもよっぽど心を打たれましたよ。オススメです。
ただし濡れ場があるので苦手な人は注意。
ネタバレあり
終始真面目なトーンで話は進んでいましたがイニスとジャックが久しぶりに再会し、家の前で熱いキスを交わし始めたシーンは思わず笑ってしまいました。もちろんイニスがジャックに対する愛を爆発させる切ない場面だというのはわかっていますが流石にアホすぎやしないかと(笑)案の定アルマに見つかってしまいますしね。
僕が一番印象に凝っているのはジャックの家のクローゼットではイニスのシャツをジャックのシャツが包み込むように重ねてありましたがラストのトレーラーハウスではそれが逆になっているところ。ちなみにあの2枚のシャツ、アメリカのチャリティーオークションでなんと10万ドルで落札されたそうです。
それからジャックのシャツのときもそうでしたがイニスはアルマ・ジュニアが忘れた上着の匂いをさりげなく嗅いでいましたね。愛する対象なんて様々だけどその深さに違いなんかないよなあとしみじみ感じました。
さて、この映画の最後を締めくくるイニスの重要なセリフ「I Swear」が字幕では「永遠に一緒だ」と訳されていますがこれが割と賛否両論みたいですね。僕が思うに直前に結婚式の話をしていたからそれになぞらえたものと考えるのが妥当ではないでしょうか。そうなるとやっぱり直訳のほうがしっくりきます。
余談ですが本作は当初アン・リー監督ではなくガス・ヴァン・サント監督が予定されていたのはご存知ですか?彼曰く主演はレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットにオファーを出したそうです。もしそれが実現していたら興行収入がどえらいことになっただろうなあ(笑)まあ結果的に今の監督とキャストで大正解だったと思いますがね。