体罰は悪か否か
ネタバレなし
あらすじ
シェイファー音楽院でドラムを学んでいるニーマンは同校に所属する名高い指揮者フレッチャーに一目置かれるようになる。次の日、彼が率いるバンドに招かれるようになるがそこでの指導は常軌を逸したものだった……
ドラムの知識なんてほとんどない僕ですが十分に楽しめました。また音楽映画としても秀逸ですが教育問題も1つのテーマになっているのでそちらに関心がある方にもおすすめ。
マイルズ・テラー主演の映画で一番好きな作品です。
ネタバレあり
僕は断固として体罰(もとい行き過ぎた指導)反対派なんですがフレッチャーが言っていたチャーリー・パーカーの話を聞いてからはほんの少しだけ揺らいだ自分がいました。しかしニーマンが主人公だからスルーされがちですが同じ教育を受けていたタナーはドラマーとしての道を閉ざしてしまったことを考えるとやはり体罰は他人の人生を奪いかねないものだと痛感しました。そもそもニーマンがフレッチャーと再会したのも偶然ですしね。体罰をする側をもう少し責任を持って欲しいですよ……
結果的に映画内で彼の教育は功を奏してしまったわけですが本作を観て体罰賛成派の教育関係者が変な勘違いをしないことを切に願います。偉いのは暴力を振るう指導者ではなくそれに耐えた教え子ですからね。
話は逸れますが僕、ニーマンがニコルにあっさり振られるシーンが結構好きなんですよね(笑)おそらく普通の青春映画ならラストで縁を戻して終了でしょう。でも本作からは「芸術に恋愛なんか必要ねえんだ!」というメッセージのようなものを感じました。
以下、楽曲について。
まずは原題と同じ「Whiplash」ですがこの曲は出だしが印象的でまあまあ好きです。物語上重要な曲とはいえませんがこの言葉そのものに「痛めつける」や「損害を与える」という意味があるのでタイトルにふさわしい一曲だと思います。なんで僕はあんまり邦題が好きじゃないです(笑)
そしてニーマンがぶち込んだ「Caravan」は素晴らしい!何度観返しても胸が熱くなります!後から気づいたんですが事故後のコンペティションで披露した曲と同じだったんですね。別物すぎて全然わからなかったですよ。リベンジできて本当によかったなあ。
エンドロールでかかるのが序盤でかかっていた「Overture」なのも最高!ラストの素晴らしい演奏はニーマンという偉大なるドラマーの人生の序章にすぎないということを示唆しているに違いありませんね。
最後に余談ですがニーマンがJVC音楽祭にて盛大にやらかした「Upswingin’」はサントラではちゃんとした演奏で収録されているので未聴のかたはぜひご視聴ください。