言語学をテーマにした作品
ネタバレなし
あらすじ
世界各地に宇宙船が襲来し、言語学者のルイーズと物理学者のイアンが調査を開始する。彼女は中にいた地球外生物と何とかコミュニケーションを取ろうと四苦八苦するのであった。
原作はテッド・チャンの小説「あなたの人生の物語」ですがそっちは未読で本作を鑑賞しました。主人公が言語学者なだけあって全く言葉の通じない相手と文字だけでコミュニケーションを取ろうとする様がなかなか新鮮で楽しめましたよ。
割とスケールの大きそうなSF映画にみえますがド派手な映像とかはないんでそこは期待しないように。
ネタバレあり
さて実は過去の回想だと思っていた映像が未来のことだったというオチでしたが僕としては以前観た某海外ドラマにも全く同じパターンのエピソードがあったためそこまで驚きはしませんでした。父親が数学に精通しているという伏線がありましたしね。
しかしこの映画のずるいところはミスリードさせるためとはいえエイミー・アダムスの顔が全く老けてない点でしょう。それともルイーズはアンチエイジングにでも勤しんでいたのかな(笑)
結局本作の根底にあるのは劇中にも出てきたサピア=ウォーフの仮説(またの名を言語的相対論)なんで割と納得のいかない人も多いんじゃないでしょうか。エスキモーは雪を20種類の言語で表すことができるという例で有名な「思考は話す言語によって形成される」というものですがこの仮説ってスティーブン・ピンカーなどがバッサリ批判しているような割と賛否両論な説ですからね。ヘプタポッドの言語を理解したからといって未来がわかるようになるなんて受け入れられないのも無理はないでしょう。
僕もこの仮説に関してはちょっと懐疑的。もしバイリンガルになれたら違った世界が見えてくるのかな。
ところでイアンがヘプタポッドにつけたアボットとコステロというあだ名の元ネタがわかりませんでしたが、調べたらどうやら昔いたお笑いコンビから由来しているみたいですね。
ちなみに原題は「Arrival」。皆さんご存知の通り到達を表す単語ですが調べたら新生児という意味もあるようでダブルミーニングになっているんだなと感心しました。一方、個人的には邦題も端的で悪くないように感じます。
そういえば宇宙船の形が似ているというだけでなぜかばかうけとコラボするというプロモーションを行なっていましたね。割と硬派な映画なのに大胆なことするなあ。
でも久しぶりにばかうけが食べたくなっている自分がいるのがちょっと悔しいです(笑)