ジャンル不明な映画
ネタバレなし
あらすじ
死の危機に8回も直面した少年ルイは、家族でピクニックに行った先で崖から落ちてしまい、昏睡状態に陥ってしまう。この手の分野に精通している名医パスカルが彼の担当をすることになるが、奇妙なことが相次いで発生する。
原作はリズ・ジェンセンの「ルイの九番目の命」ですがそっちは未見で本作を鑑賞しました。
評価はうーん、ぼちぼちってところでしょうか。なんというか初見ではファンタジーなのかミステリーなのかホラーなのか、はたまたヒューマンドラマなのかジャンルがよくわからない作品でどういった人にオススメすればいいのかわからない内容なのが特徴的。かと言って全く新しい映画というわけでもないんですよね……あ、映像は綺麗でしたよ。元々、アンソニー・ミンゲラ監督がメガホンを取るはずだったんですが亡くなってしまったためにアレクサンドル・アジャ監督に変更になったんですよね。たらればだけど彼のままだったらもうちょっと楽しめたのかなと、ちょっぴり考えてしまいます。
ネタバレあり
いやー、「母は息子を愛して当然」という常識をひっくり返すような嫌な終わり方でしたね。ただシンプルに代理ミュンヒハウゼン症候群のネタだけで一本のスリラーを作った方がもう少しウケたと思うんですよ。なまじルイにオカルトチックな能力を持たせてしまったせいでテーマが散らかってしまっている印象を受けました。だってルイの昏睡の世界においてピーターが海藻まみれになって出てくるのも夢遊状態のパスカルに憑依するのもそういう超常的な力を手に入れるようになった経緯が全く描かれていませんからね。
そもそも警察だって最後のあんな不可思議な出来事をよくすんなり受け入れられたなと思います。それとルイのサイコパス気味なキャラクター設定も全く活きてないですよね。ただのミスリードにしちゃやりすぎ。
でも冒頭でルイが8回も死にそうになったシーンはあまりにもコミカルにも描写されていたため「そんなわけあるか!」とツッコミたくなりましたがラストでは「そんなわけあったわ……」と愕然してしまうようなどんでん返しを見せつけてくれたのはお見事でした。
あとルイが9歳という若さで母の望みを叶えるため自ら死を選ぼうとする場面は流石に胸が痛くなりましたね。
最期に余談ですがペレーズ先生が中華料理屋にてラーメンを食べるのがあまりにも下手すぎてどうも気になってしまったのは僕だけではないはず(笑)レンゲだけで食えるわけないんだから素直にフォークでも借りればいいのに……