青春こじらせ映画
ネタバレなし
あらすじ
17歳の高校生ネイディーンは、皮肉屋で喋り出すと止まらない典型的なイケてない女子だった。ある日、歴史教師のブルーナーに自分はこれから自殺すると告げる。事の発端は先週の金曜日に遡り……
昔、なにかのCMで使われていた「青春がないのも青春だ」というコピーが僕の中で深く印象に残っていたんですが、本作はまさにそんなイケてない高校生の青春映画でした。ただコメディとしてはそこまでかな。
評価は結構高め。ティーン向けなのは否めませんが大人の僕が観てもまあまあ楽しめました。
しかし下品な描写が多いので苦手な人は注意。
ネタバレあり
原題は「The Edge of Seventeen」。直訳するなら「17歳の端」って意味でしょうか。まあ確かにネイディーンは崖っぷちでしたからね(笑)この映画にぴったりだと思います。スティーヴィー・ニックスが1981年に同名の曲を発表しているのでこっから拝借したのかな。
一方、邦題はなんかイマイチ。タイトルだけ見たらホラー映画みたい。
一番笑ったのは冒頭でネイディーンが「ナポレオン・ダイナマイト」のペドロそっくりになってしまうところ。まさかこんなところで彼の顔を再び見るとはね……(笑)
ブルーナーは本当にいい先生でしたね。あんなに罵詈雑言を吐かれても軽くあしらう様はまさに大人であり、彼女のフォローもきっちりするなんて教職者の鑑といっても過言ではないでしょう。自分の学生時代の担任も悪い人たちではなかったけれどこういう先生がいたら少しは僕の人生も違ったかもなあ。
あとアーウィンの自主制作映画も非常によかったです。ああいうアニメもっと観たいですねえ。
ただ17年間終始こじらせていたネイディーンがラストで改心するにしてはエピソードが弱すぎやしないかと感じました。ブルーナーの家庭的な一面を知ったり兄と大喧嘩したところで変わる程度の問題とはどうにも思えません。
兄と不仲だったのも母親から子に贈られる愛情が不平等であることへの憤りのようにみえたのでどっちかっていうと彼女は母親とちゃんと向き合わなきゃいけない気がしますよ。
というかやっぱりラストまで観てもネイディーンが好きになれないんですよね。最終的にずっと自分を想っていたアーウィンと向き合う時が偶然にも彼が珍しく脚光を浴びているときでしたから彼女にそんなつもりはないにせよしたたかな感じがしてなんだか腹が立ちました(笑)