ウーナ 13歳の欲動 ネタバレナシとネタバレアリ感想

許されざる恋の末路

ネタバレなし

あらすじ


謎の女性ウーナが親子ほど年の離れた中年男性レイが務める職場へ行く。彼は彼女を見つけるとひどく慌てふためいた。2人の間には15年前にしでかしたとんでもない秘密があったのだ。彼女は当時のことを問い詰めるが……


評価はまあまあ高め。映像作品としては正直、工場での会話劇と過去の回想ばっかりでちょっと退屈だったけどシナリオは結構良かったですね。寓話として申し分ないでしょう。
ただし、濡れ場があるので苦手な人は注意。

ネタバレあり

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小児性愛を描いた作品は数あれどその子供が大人にまで成長した後の話はなかなか珍しいですね。本作を観るとなぜ幼い子供に手を出していけないかがよくわかります。体以上に心が幼いから人格形成に多大な影響を与えるということを小児性愛者はわかってないんですよ。
僕はもうレイにイライラしっぱなしでした。特にウーナにキスをして服まで脱がせておいて、既のところで「やっぱり無理」なんて抜かす様には怒り爆発ですよ、まったく。
この手の犯罪者は刑務所に入ってそれ相応の扱いを受けて罪を償った気でいますが、やはりウーナの気持ちを考えると逃げずに一生彼女と向き合うことが罪滅ぼしだろうと感じました。彼女がまだ彼を求めていたのには驚きましたが、それなら彼も地獄の果てまで付き合うのが筋ってもんだろうになあ。
ラストはウーナが去って幕を閉じましたが、あの後のレイは遠くからとはいえ奥さんに見られていましたからおそらく修羅場でしょうな。またしても全てを失うに違いありませんね。一方、ウーナは果たしてこの先幸せになれるんでしょうか。どうすれば彼女が過去の呪縛から解放されるのか、僕には想像もつきません。

元々は原作の戯曲と同様の「Blackbird」というタイトルだったみたいです。しかしなぜこういう題だったのかよくわかりませんね。黒人の俗称やムクドリモドキを指すようですがどうみたってそれらのことではないでしょう。それとも単純にウーナが黒い服を着ていたからでしょうか……?
何はともあれ「Una」に変えて大正解でしょう。レイがあれからピートと名を変え、第二の人生を歩もうとする一方でウーナは名を変えずに今も苦しんでいるということが如実に現れていてこっちのほうが好きです。
ただ13歳の欲動という邦題のサブタイトルは余計。作中において若い頃より現代のウーナの感情や行動のほうがよっぽど重要でしょうに。

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