あの夜、何があったのか
ネタバレなし
あらすじ
著名な推理小説家ハーラン・スロンビーが屋敷にてナイフで喉を掻き切って死亡した。当初は自殺として処理されたが、名探偵ブランに匿名の調査依頼が届く。彼は真実を追求するため、遺族に事情聴取をするが……
評価は結構高め。ミステリー映画としてはまあぼちぼちってところではないでしょうか。
一応コメディ作品でもあるようですが笑うところは特段なかったかな。
ネタバレあり
Knives Outという言葉は一見なんかの慣用句っぽいけどググってもあんまりヒットしないんですよね。たしか「荒野行動」の英題もこれだったはず。ということは間違いなく物騒なニュアンスでしょう(笑)「ナイフが飛び出てる」くらいの意味でいいのかな。複数形のことから察するにあの鉄の玉座みたいな刃だらけの椅子のことを指しているんでしょうが、ひょっとしたら遺族のあの敵意むき出しの感情を刃に見た立てているのかもしれませんね。
結局一番悪そうな奴が一瞬いい奴に見えたけど、やっぱり一番悪い奴だったというなかなか面白いオチでした。僕はハーランの職業が推理小説家ということから全て彼がブランに謎を解いてもらいたくて仕掛けた壮大な自殺劇とかかな、なんて考えていたんですががっつり外しました(笑)
全体的に満足なんですが、フランの最期の言葉をYouとHughを聞き間違えるという部分が日本語だと「見たんだよ」と「見たんだヒュー」になっているのは流石に苦しくないでしょうか(笑)「よ」と「ヒュー」ってオ段とウ段ですからね。吹き替えでは「ヒュー」を声優が息も絶え絶えになって大きく呼吸をする音で誤魔化すというナイスな演出で切り抜けていました。一方、字幕では「あなたがやった逃げられるもんですか」とまで明記しちゃっていましたがこれはアンフェアでしょうに。もちろん翻訳家泣かせの表現なのは重々承知していますが……
マルタが遺産をどうするかはっきりと答えを出していませんが、最後の場面で屋敷のバルコニーから外にいる遺族と見つめ合うシーンは今後の彼らの行方を象徴しているに違いないでしょう。
ちなみに冒頭でマルタの妹アリスが見ていた探偵モノの作品で喋っている男はなんとジョセフ・ゴードン=レヴィットだそうです。いやー、驚きましたよ。
続編の制作も予定されているようですがとりあえず観る予定です。うまくいけば「名探偵ブランシリーズ」みたいなかんじでブランド化できたりするのかなー。