大人を甘く見るんじゃない
ネタバレなし
あらすじ
1984年夏、田舎町イプスウィッチの周囲で起きていた失踪事件に少年デイビーは強い関心を持っていた。ある日、隣人で警官のマッキーが怪しいと睨んだ彼は、友人のイーツ、ウッディ、ファラディとともに捜査に乗り出すが……
評価はまあまあ高め。スリラーとして十分に楽しめました、おすすめです。「名探偵コナン」に出てくる少年探偵団の面々に見せてやりたいと思いましたよ(笑)
ただしグロテスクな描写があるので苦手な人は注意。
ネタバレあり
いやー、なかなか毒のあるオチでしたね。主人公を殺しにいくというホラーにおいて一番怖い部分をあえて描かないことによって恐怖を増大させているのは圧巻の一言に尽きます。初めは時代設定がなぜ現代ではなく84年なのかが疑問でした。ノスタルジックな雰囲気を感じて欲しいためとかティーン向けというより当時を過ごしたおじさん向けだよというアピールな部分もあるでしょうが、最もな理由はやはり今になってもデイビーの前にマッキーは現れておらず、彼はまだ恐怖に怯える毎日を過ごしているのではないだろうかと観客が想像してしまうところだと考えます。
僕はてっきりマッキーがデイビーの方を観察していたシーンから実はこれが伏線で、本当はデイビーの父親が犯人なんじゃないだろうかという頓珍漢な推理をしてしまいました(笑)
あと再びマッキーの家に忍び込むシーンでいつ家主が帰ってくるのかずっとハラハラしましたがあっさり警察署のカットに切り替わって拍子抜けしたのは僕だけではないはず。
ただ終盤の展開は勢いだけでなんとかしようとしているのが手に取るようにわかったのが残念。マッキーが屋根裏に忍び込んでいたところは多めに見るとしてもすぐそばで警察があれだけ現場を捜査しているにも関わらず、ウッディとデイビーをさらった上でそこをくぐり抜けて車で逃走するってどう考えても無理でしょうに。
それとこの映画のおかげでアメリカでは牛乳パックに行方不明者の写真が印刷されいるものがあるというのを初めて知りました。事件解決のため仕方がないことですが僕なら写真にうつる彼らの顔を見ると本人の境遇やその家族のことを想像してしまい、飲む気が失せてしまいそうです。とにかく日本じゃ考えられないですね。
さて本作は青春映画の側面も持っていますが、結果として仲良し4人組のうち1人は死に、残された3人はギクシャクしてしまうという前半からは想像もつかない結末に。あれぐらいの年頃ってなんでもできる気がして、大人相手でも仲間で団結すればやりあえるって錯覚しがちなんですよね。大人を甘くみちゃいけませんね……