不老不死になったら
ネタバレなし
あらすじ
昔、人気美人女優だったアデリーンは50代となった今や見る影もなく、大金を叩いてでも美に執着していた。ある日、彼女の行きつけのサロンにて、オーナーにリスルという怪しい女を紹介され、不老不死の薬を飲むことになるが……
ホラー風味のコメディとしてまあまあ秀逸な作品でした。序盤のメリル・ストリープのキレキレのミュージカルだけでも十分観る価値があると思います。CGの技術もこの時代にしてはかなりハイレベルだったでしょう。アカデミー視覚効果賞を受賞したくらいですしね。
おすすめですよ。
ネタバレあり
原題は「Death Becomes Her」。「死が彼女にはお似合い」だっていう感じでしょうか。なかなかカッコいいタイトルですね。まあ別に死なないんですが(笑)
邦題もこの映画を端的に表していて悪くないですね。続く三点リーダーも不穏な感じがしてグッド。
よくわからなかったのが不老不死に関する設定全般。最初にリスルは指を切った後に、血を止めた上に傷も塞いでいる時点であの薬は治癒能力があると思っていたんですが、アデリーンの心臓は止まったままだし、ヘレンの腹に空いた風穴は塞がらず、2人の血色は灰色になるし、その割に骨は勝手に元に戻るみたいでもうついていけませんでした。そもそも美をキープでないなら飲む必要がないと思うんですがね。リスルたちはどうやって見た目を維持しているのか……
まあ深く考えることではないんでしょうが。
てっきりアデリーンが秘密を抱えながら若返った容姿をグイグイ使っていく話かと思っていたんで、階段に落ちてグチャグチャになったのには驚きました。しかしそこからは予想外の展開だらけだったんでよかったですけどね。アデリーンとヘレンがお互いに攻撃し合った後に、和解するシーンはなんだかほっこりしましたよ。
余談ですが、突然引退を発表した往年の大女優グレタ・ガルボがあの薬を飲んでたのには笑いました。本作の公開の2年前に彼女は亡くなっているのでほぼ時事ネタだったですね。下手すりゃ不謹慎って言われそうですが。
あとなんか館の広場にエルヴィス・プレスリーっぽいのもいたような(笑)彼のことはよく知りませんが、目撃情報があったり、生存説でも囁かれているんでしょうか。
ラストはなかなかショッキングな映像で幕を下ろしましたね。夢に出てきそうですよ。死ねないことって一番怖いことなのかもしれないと痛感しました。