マイレージ、マイライフ ネタバレナシとネタバレアリ感想

変われないこともある

ネタバレなし

あらすじ


ベテランの解雇宣告人ライアンは、ネットでの解雇宣告を推奨する新入社員ナタリーと衝突してしまう。


不況を逆手に取る仕事ってこれくらいでしょうね。嫌な仕事なんで僕はやりたくないですけど(笑)かなり珍しい職業だけあって僕は解雇宣告人を扱った映画をこれしか知りません。

仕事とは別に独身仕事人間のライアンの生活も掘り下げていますが、むしろそっちがメインテーマでしょう。したがって解雇宣告人の要素は過度に期待しないほうがいいです。

ネタバレあり


冒頭から胸が苦しくなるシーンでしたね。でもザック・ガリフィアナキスが出たときは思わず笑ってしまいました(笑)
最後のシーンと対になっているのもすごく良いですね。絶望から始まり希望で終わる映画でした。ただクビになった人の心の支えってやっぱり家族とか友人なんですね。そういうものがないと橋から飛び降りることを選んでしまうのかもしれません。

原題はUp in the Air。でもマイレージ、マイライフのほうがしっくりきますね。邦題は何かと文句を言われがちですがこれに関しては文句なし。

この映画のテーマは「変われないこと」でしょう。変わったほうがいいんでしょうけど無理なものは無理ということです。
ナタリーが登場してから家族や恋人と深く関わってこなかったライアンが妹ジュリーのために尽くそうとしたり、都合のいい相手であるアレックスと距離を縮めようとしますがあまり上手くいきません。むしろ孤独は深くなるばかり。マイレージを1000万マイル貯めるも心は埋められず。
しかしナタリーが辞めたのを機にまたマイレージを貯める出張生活が戻ってきます。生きがいが一つあれば別に変わらなくていいんですよね。
ただ正直、年齢がいっているもののジョージ・クルーニーレベルのルックスと高収入(あくまで推測)を考慮したら嫁探しに不自由はないでしょうが(笑)

でもオンラインでの解雇宣告は一端中断になっただけで間違いなく実現するでしょう。
ナタリーは辞職を、ナタリーの彼氏は別れをメールで告げました。
若い世代がネットを使って大事な連絡をするのはなぜか?それは習慣でしょう。ネットでのやり取りに慣れてしまった世代が多数派になったとき、オンラインでの解雇宣告が主流となるでしょう。
しかしライアンの世代の人間がネットを嫌いなことも「変われない」でしょう。彼には彼しかできない仕事があると思います。