君の名前で僕を呼んで ネタバレナシとネタバレアリ感想

風景は綺麗だけど……

ネタバレなし

あらすじ


1983年夏、イタリアの片田舎にて少年エリオは悠々自適に暮らしていた。ある日、考古学者の父の助手としてアメリカからオリヴァーがやってくる。エリオは次第に生活をともにするオリヴァーに惹かれていき……


原作はアンドレ・アシマンの同名小説ですがそっちは未読で本作を鑑賞。
内容としては結構難しい印象でしたが、やっぱり異性愛者の男向けの作品ではないかなと感じました(現に日本の映画館では客のほとんどは女性だったようです)。イタリアの片田舎の淡い風景なんかは綺麗で好きだったんですがね。アカデミー賞に複数ノミネートされたのも所謂ポリコレへの配慮かなと勘繰ってしまいます。

男同士ならびに男女の濡れ場があるので苦手な人はご注意を。

ネタバレあり

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タイトルにもなっている相手を呼びかける時に自分の名前を使うのが印象的でしたが、これが非常に難解で解釈に苦労しました。色々な意見をネットで読んだ上でエリオとオリヴァーが一体感を得るためというのが多く見受けられましたが、普通に相手の口から自分の名前を呼ばれた方が嬉しくないと思っちゃいます。なんか作者が詩的で特別なことがしたかったんでしょうかね。
それとラストでお父さんがこの映画の本質みたいなことをペラペラ話し始めたのには正直呆れました。そういうのは言葉にしないで観客に伝えるほうがいいタイプの映画だと思うんですがね……
っていうかあの両親は2人の関係をわかっていながらよく外泊を許可したなあ。同性愛とか抜きにしても未成年と大人の恋なんて傷つくに決まっているのに……ちなみにイタリアでは今回のようなケースでもオリヴァーに違法性はないみたいなんで驚きです。日本人の価値観で捉えようとすることがそもそもの間違いなのかな。

一応、エイズ問題をテーマにした続編が予定されているみたいですが、オリヴァー役のアーミー・ハマーがとんでもないスキャンダルをやらかしたせいでかなり厳しいんじゃないかなと踏んでいます。同性愛者の人が好きそうな男らしいワイルドなルックスの持ち主で本作にピッタリだと思ったのに残念ですね。
あの続きが気にならない訳ではないですが、一夏の恋がああいう幕を閉じてもいいんじゃないかなという気がします。
結局、本人もわかっているでしょうけどエリオがマルシアにしたことをそっくりそのままオリヴァーに返されたようなもんですからね。
因果応報なんですよ、ふふふ。

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